甲冑を創るために必要な準備


甲冑制作に「教科書」は無い

甲冑の制作をするにあたって、一番問題になるのは「教科書がないこと」。

甲冑を作りたいと思えば、現代の甲冑師と言われるエライ方々のところに弟子入りする。
そこで学ばれた方から教えていただく。
はたまた、各地で甲冑教室をしているところに入って勉強するかということになります。

私の場合は、とある方の指導をいただいて学びました。
学ばせていただいたのは基礎で、基本的な考え方になる非常に重要な部分です。
しかし、問題はいかに「応用」できるかという点です。

ご存知の通り、甲冑は1つ1つがそれぞれ特徴を持ったデザインをしており、基本的な制作技術だけでは解決できない部分が多々あります。

継続的な創意工夫と探求心が必要

例えば有名な戦国武将の甲冑をイメージしたものを作りたいとおもったら、基本的な制作技術を頭に入れた上で、細かなところをどのように実現するのか、創意工夫が必要となります。
どこにも「こうやって作るんですよ」というガイドは落ちてません。Google先生も知らないことがほとんどです。(中には、かなりの腕前の方が公開されているブログなどがヒントになることがあります)

また、そもそもイメージする有名武将の甲冑にしても後ろや横、内側など必要な個所が写った写真などはネット上にも滅多に転がっていませんので、創るにあたって情報が無いという問題にぶち当たります。

そんな時に、どうするか?
私の場合は、こんな感じ。

<博物館・資料館で凝視>

チャンスがあれば甲冑の展示のある博物館・資料館に足を運び、血眼になって凝視しています。
表から、裏から、上から、下から。
気になっている部分がどのように制作されているのか、目で見て、想像して、記憶します。
この歳になると、すぐに忘れるので、見終わったらメモしたり、置いてある資料を持ち帰ったり、撮影OKのところなら写真を撮りまくります。
イメージしている甲冑そのものを見るのは難しいです。遠方だったり、そもそも展示されていなかったり。現存していなかったり。そんな時は、「似た」甲冑を探して参考にしています。

現代制作の甲冑でもすばらしいものを制作されている企業・個人の方もいらっしゃるので、そちらも参考にしています。(下記、例)
宇喜多秀家フェス2015での甲冑展示(その1)
宇喜多秀家フェス2015での甲冑展示(その2)

さらに熱心な人は、神社・仏閣、個人の方が所有されているものを見に行き、お許しを得て写真を撮らせてもらったりしている方もいますね。

<資料をあさる>

甲冑に関する本や資料はある程度出回っていますので、一部ご紹介。
写真が多く乗っている資料を買いあさり、穴が開くほど見ています。
私の場合はまったく遺物も資料も何もない武将の甲冑をオリジナルで創ることもあるので、そのデザインを考える時にも非常に役に立ちます。

写真だけでなく、細かな構造や甲冑の歴史的な背景なども含めてかなり専門的に記載されいてる書籍もありますので、それも入手された方が見えない部分、分からない部分をデザインする際に参考になると思います。

<現物を入手する>

もう1つは、実際の物を手に入れて好きなだけ研究・参考にすることです。
私はオークションサイトなどから研究したいものを入手して、実際に触って、重さを感じ、どんな素材で、どんな風に仕上げているのかなどをつぶさに見て参考にさせていただいています。
これまでに入手したものはこんな感じです。(一部)

時代は正確にはわからないものばかりですが、古くても江戸中頃~末期のものがほとんどだと思います。
実際に手にすると、重量感や往時の人が手にしていたという時代を超える感覚はゾクゾクしますね。

そして、その創りもいまのように工具が豊富にある時代ではないにも関わらず、緻密・繊細・丁寧な作業に本当に驚きます。どれほどの根気と時間を費やしたのだろうかと思い、感服するばかりです。

サイズ感(当時の人はやはりちょっと小さい感じがします)や造り、デザイン、などを参考にさせてもらい、制作をします。

さて、ここからが勝負です

ここからが、勝負です。

博物館や資料館に足を運び、いろんな本や資料で目を肥やし、現物も手に入れて肌で感じ取ったあと、これを「どのように再現するか」。これを脳みそをガンガンに回して考える必要があります。

私の場合は、素材はプラスティックやFRPですので、この素材をどのように加工すれば、目的のものを再現できるのか?それは耐久性があるのか?品質的に問題無いか?着用時に不都合なことが無いか?

様々な視点から検証する必要があります。が、ここに1つ落とし穴が。
考えるんですが、考えれば考えるほど、手が止まるんです。
モノづくりをする者にとって、「手戻り」とか「無駄」はできれば避けたいですよね。その思いが手を止めます。なので、どこかで踏ん切りをつけて、まずは「やってみる」という想いキリが必要になります。

やっぱり、途中で失敗に気づいたり、違う問題にぶち当たったりします。
それを1つ1つ解決して、ようやく満足できるものが創れます。
(といっても、完全に満足したようなものはこれまで創れた試しがないし、死ぬまで無いような気がします)


以上、私が甲冑を創る上で準備してきたこと、いつもしていることをまとめてみました。
甲冑制作をしたいと思われてる方に、少しでも参考になればうれしいです。

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衆長

武楽衆の衆長です。 日本全国を戦国リアルシュミレーションの舞台とする野望を追究します。

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