地域オリジナル甲冑

武楽衆では甲冑や衣装のレンタルをさせていただいておりますが、その甲冑は基本的にはすべて弊社にて手作りしております。
その際に、当然ながら「どの甲冑を創るか?」ということを考えなければいけません。

「売れ筋」的な観点で考えるならば、やはり織田信長、豊臣秀吉、武田信玄、上杉謙信、真田信繁といった超有名で全国的な武将の鎧になります。
しかし、一方でこういった有名武将の甲冑はそのデザインも当然ながら有名で、鎧だけ見ればどの武将かすぐにイメージが沸くので、汎用的な活用は難しくなります。

さらに、武楽衆は「戦国で地域をおもしろく」というコンセプトを掲げているので、地域の埋もれた、貴重な歴史にフォーカスし、掘り起こし、地元の自慢にしたいという想いがあります。

その結果として、地域(播磨)で活躍した自慢の武将たちに焦点を当て、その武将の甲冑を創っています。

そこで困るのが「どんな甲冑だったのか、情報が無い」ということ。
現代まで大切に受け継がれてきた現物鎧があれば一番ですが、それは有名武将でもほとんどありません。頼れるのは地域に残る歴史書にわずか数行で記載されている鎧を表現する文章。それもめったにありませんので、最後はその武将の生き様・歴史を知り「想像」すること。

それでも、その甲冑を身に着け、名前の入った幟を立てて、闊歩することで「具現化」できることは大きいと思っています。「目に入る情報」は大きく、子供たちや地域の方に「あれは誰だ?」「へ~、そんな人いただんだ~」と知ってもらい、地元自慢(愛)に繋がれば、それ以上のことはありません。

播磨三木城城主・別所長治公甲冑

これまで、播磨の武将としては、加古川城主・糟谷武則公、野口城主・長井政重公、神吉城主・神吉頼定公、明石城主・小笠原忠政公と創ってきましたが、三木城主・別所長治公は「三木合戦」の主役であり、播磨武将でも代表格のクラスです。

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三木別所家は播磨守護職赤松家の流れをくむ名門であり、東播八郡(三木・明石・加古川・高砂・小野あたり)一帯を治めていた太守。その歴史と威厳が感じられるような甲冑をデザインせねばと思っていました。

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デザインとしては、名門としての歴史や威厳を表現したいと思い、胴は「色々威し(いろいろおどし)」の鎧にしました。色々威しとは段々に様々な色の糸を使って組み上げていく鎧で、平安・鎌倉に誕生した「胴丸」「腹巻」とった鎧から来ているもの。 兜は12間の筋兜にし、各所に「絵革」も取り入れ、 歴史ある武家に引き継がれている感を出しました。
ちなみに、兜の前立ては別所家家紋「尾長三つ巴」ですが、取り外してできますので別の家紋にすれば別の武将になる汎用性もあります。

一方で、戦国時代といえば武器が弓矢から槍や鉄砲に変わり、先方も単騎決戦から集団戦への変わる中で鎧も進化し、「当世具足」(はやりの鎧)というものに変わっていますので、その「進化」もある程度取り込もうと思いました。籠手は瓢箪・篠籠手で金色をベースとして豪華さを表現し、佩楯は日輪模様を入れました。

さらに、生成り色の生地に金で別所家家紋「尾長三つ巴」を刺繍した陣羽織を羽織ることで、完全に名門の戦国武将になったのではないかと思います。

夢は播磨武将勢ぞろいのイベント

まだ、いく名かの播磨武士の甲冑を創りたいと思っていますが、近い将来、これらの甲冑を身に纏った播磨武士を集め、可能ならば内外の武将方をお呼びし、盛大な戦国イベントをしてみたいなと夢見ている次第です。

戦国で地域をおもしろく!


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