「三木合戦」って何?

戦国時代で有名な合戦と言えば何を思いつきますか?
桶狭間の戦い、長篠の戦い、関ケ原の戦い、大坂の陣、姉川合戦、小田原攻め、高松城水攻め、摺上原の戦い、耳川の戦い・・・など無数の戦がありました。
そんな中でご紹介したいのは、播磨の国(兵庫県南西部)で行われた「三木合戦」

(あらすじ)

1577年頃、桶狭間で頭角を現した織田信長は、斎藤・浅井・朝倉・六角らを打ち破り、京で政権を握っていた三好氏らを追放、足利義昭を将軍に奉じて畿内を抑えた。さらに、北陸方面に柴田勝家・前田利家・不破光治ら、畿内を明智光秀・佐久間信盛・池田恒興・荒木村重ら、信濃・甲斐方面は織田信忠らを配置して各地を制圧していった。

中国方面には羽柴秀吉を派遣して播磨ほか中国諸国の平定を命じた。最初に侵攻を受けるのは播磨の国。その時、播磨の国は統一された勢力は無く、東播磨一帯を領した別所家(三木城)が最も大きく、他に御着の小寺家、龍野の赤松家などがいたが、ほとんどが早々に織田家に服従を申し出たことで播磨は平定された。

黒田官兵衛の手引きで姫路に入った羽柴秀吉は、播磨の先、備前の宇喜多氏や最大の敵・毛利氏に対抗するために加古川城で評定(作戦会議)を開いた。ところが、その場に別所家の当主は参加せず、さらに家老が秀吉の方針に不満をいただき、結果として離反することになった。

別所家の離反により、周辺の国衆は悉く別所方(味方)となった。三木城を攻める羽柴秀吉は、周辺の別所方の武将により四方八方から攻め立てられて苦戦し、信長に援軍を請うた。織田信忠を大将に明智光秀、佐久間信盛、滝川一益など織田家の主力の支援を得た秀吉は、周囲の国衆を攻め滅ぼし、三木城周辺に無数の砦を築き、遠巻きに長期間包囲する兵糧攻めを行なった。(竹中半兵衛の献策と伝わる)

別所家や播磨各地の武将が局地戦を戦ったり、籠城戦を繰り広げ、約1年ほど耐えた三木城であったが、ついには兵糧も援軍も潰えて落城となった。城主・別所長治は秀吉方に一族の自刃の代わりに将兵や民の命を助けることを条件に、見事に果てた。

三木合戦年表

年表内の各出来事毎に記事をご覧いただけます。
播磨最大勢力の三木城・別所家、そして織田家と毛利家の狭間で一族の存亡をかけて戦った播磨各地の武士たちが繰り広げた「三木合戦」がどんな経緯でどんな戦いだったのか?! 播磨一帯に数多くある史跡を訪れながら体験してください。各所にある御城印や武将印をコレクションすることも出来ます。

地域主な出来事
1578年2月加古川波乱への足音:加古川評定
天下をほぼ手中にしていた織田信長。
西は丹波方面に明智光秀を派遣し、播磨へは羽柴秀吉が侵攻してきた。
群雄割拠の播磨国内の武家は、家名を残すために選択を迫られる。
三木東播八郡の太守:別所家の決断
加古川評定で織田家と袂を分かった別所家。
播磨国内や周辺の勢力状況を見据えて、織田家との戦準備に取り掛かる。
明石明石郡内の動き
秀吉の播磨入国により、明石郡内の諸将が動き出す。
(船上城・別所氏、枝吉城・明石氏、端谷城・衣笠氏、福中城・間嶋氏)
明石魚住城の戦い:毛利から三木城への援軍物資重要ルート
籠城戦を続ける三木城への重要な兵站戦。
魚住城主と住民が一体となり活躍する。
1578年4月加古川野口城の戦い:秀吉の支城攻略戦が本格化
野口城主・長井政重、教信寺と共闘するも落城す。
三木三木城大包囲網:平井山本陣
東播磨の支城を落とした織田勢は、三木城に対峙するように平井山に本陣砦を築く。
1578年7月加古川神吉城・志方城の戦い:織田の精鋭部隊による猛攻はじまる
三木城の支城ネットワークの壊滅に向けて、織田の本隊が動き出す。
1578年8月高砂高砂城の戦い:海軍の将・梶原景秀(景行)、海上より三木城を支援す
播磨灘から三木城への兵站戦。
名門・梶原氏の海の戦いがはじまる。
1578年10月伊丹隣国摂津の国盗り物語:荒木村重が信長に背く!
摂津の国を任されていた荒木村重は、秀吉と共に播磨各地で転戦していたが、突如として摂津有岡城(伊丹城)で謀反する。
1579年5月淡河淡河城の戦い:知将・淡河定範、羽柴軍を一掃す!
三木城の東側を守る淡河城。
知将とされる淡河定範はどんな戦いを繰り広げるのか。
三木竹中半兵衛重治、平井山の陣中にて没す。
1579年6月篠山反織田勢力の一角・八上城落城
丹波多紀郡の八上城主・波多野秀治は別所長治の妻の実家。
反織田として共闘するも明智光秀の前に屈す。
1580年1月三木三木城、ついに落ちる
およそ2年に渡り、東播磨の諸勢と共に戦ってきた別所家も兵糧尽き、矢折れ、ついに落城を迎える
1580年2月英賀播磨三城、英賀城も落ちる
壮大な城域を持つ英賀城、城主三木家は兵糧支援など別所家を支えるが、別所家の滅亡と運命を共にする

三木合戦史跡マップ


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